何年ぐらい前だろうか、テレビを見ていたら、 どういう話題だったのかははっきりと覚えていないのだけれど、 もしかしたら、芸人さんの話だったのかもしれない。 その中で、「一円でももらったら、もうプロ」というお話をされていた。 僕の中の記憶では、芸人さんとして、お仕事をして、一円でももらったのだったら、 プロの芸人さんだ、というようなお話だったように思う。 もしかしたら、記憶違いがあるかもしれないけれど、確かそうだったと思う。
その時、たしか僕は音楽の練習のほうは、もうお休みしている時で、 小説は何作か書いた後だったような気がする。 でも、僕みたいな無名な人間が、個人で電子書籍を作っても、 そんなに読まれるわけではなかった。 小説をたくさん書いても、あまり読まれないなぁと思って、 自信がなかったというか、もともと僕は自信のない人間だから、 自信なく過ごしていたんじゃないかと思う。
子どもの頃は、わんぱくというか、わんぱくというと、古い言い方かもしれない。 まぁ、元気だったと思う。だから、子どもの頃は、今よりは自信のある人間だったような気がするけれど、それでも、よく考えると、子どもの頃から、あまり自信のないところがあったのかもしれない。
大人になった後、音楽をやっていても何にもなっていないような感覚があったし、 小説を書いていても何にもなっていないような感覚があった。 今もその気持ちは続いている。
それで、そんな気持ちでいたのだけれど、何年か前のテレビで話されていたのを聞いた時に、 すごく励みになった、と思う。
もちろん、僕は電子書籍で勝手に出しているだけというか、ちゃんとした出版社から小説を出したわけじゃないから、自分のことを「小説家です」なんて他の人に言ったことはない。ましてや、 自作の曲もほとんどないのに「音楽家です」なんて、今の段階では絶対に言えない。
小説のほうも、音楽のほうも、 自信のない気持ちで今もずっといるけれど、 「一円でももらったら、もうプロ」という言葉を時々、思い出す。
小説でも、音楽でも、どちらでもいいから、いつか、自分のことを 「小説家です」とか「音楽家です」とか、言えるようになれたらいいなぁと思う。 できれば、「どっちもやってます」とか言えるようになりたい。
(2024.06.05 22:34:55)
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