北陸の”ブリ起こし” | ながいしんかのブログ

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北陸の”ブリ起こし”

土曜日、すごく天気が悪くて一日雷が鳴っていた。 雨が降って、寒くて、雷が鳴って、という天気で、これから冬になるのかなぁ、と思った。 他の地域だとひょっとしたら違うのかもしれないけれど、 僕が住んでいる石川県では十一月の中旬とか下旬ぐらいに、 こんな感じで雷がたくさん鳴って寒い、という天候になる。 県外から引っ越してこられた方は、この時期に雷が鳴ると驚くことが多いみたいだ。 そういう話を聞いて、他の地域だとこういう時期に雷が鳴ることは少ないのかなと思ったことがある。

石川県とか、お隣の富山県も同じような感じの気候になるみたいだけれど、 この季節に鳴る雷を”ブリ起こし”と言うらしい。寒くなって雷が鳴るこの時期から魚のブリが本格的に 獲れるようになるから、そう言われるみたいだ。

ブリは石川県ではよく食べられる魚なんじゃないかと思う。食卓によく出る、おなじみの魚というイメージがある。 ブリは出世魚で大きくなるにつれて名前が変わる、と初めて知った子どもの時は、へぇーと感心したかもしれない。 関東では成長するにつれて、ワカシ、イナダ、ワラサ、ブリというふうに名前が変わるみたいだ。 その名前は石川県では、コゾクラ、フクラギ、ガンド、ブリというふうになる。 僕は石川県で育ったから、イナダとかワラサと聞いても、どの大きさかイメージできないけれど、 コゾクラ、フクラギと言われたら想像しやすい。 はっきりとはわからないけれど、ブリよりもコゾクラやフクラギは価格が安いんじゃないかと思う。 僕もコゾクラやフクラギをよく煮魚で食べた。

”ブリ起こし”という言葉は子どもの頃は知らなかったから、この時期に夜、雨が降って、風も強くて、雷が鳴るというのは たぶん怖かったような気がする。 大人になってから、地元ニュースの気象情報で”ブリ起こし”という言葉を知って、 あ、そういう言葉があるんだ、と思った。

”ブリ起こし”が鳴るこの時期は寒いから、寒いのが苦手な僕にとってはちょっとつらい季節だ。 できたら暖かい季節がいいなぁと思う。 暑かった夏が長くて、ちょうど良い気候の秋はちょっと短いみたいだ。これから本格的な寒い季節が来ると思うと身構えてしまうけれど、 できたら、コゾクラとかフクラギとかブリを食べて、栄養をつけて、冬を乗り越えていけたらなぁと思っている。

(2023.11.20 18:52:02)

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